Message From Ogikubo  


    14 feb.2000

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夕刊を見て驚いた。「腎臓売レ、残ッテナイ」!!

確認したら、横に小さい文字で
日榮元社員 起訴事実を否認 とある。
「腎臓売れ、残ってない」ではなくて、「腎臓売れ、言ってない」だった。
1字の読み違いとは言え、その間には切実な問題が見えてくる。

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先日、受精卵診断を問う公開シンポジウムを聴いた。
狭い会場をカメラが忙しく移動し、あちらこちらでフラッシュがたかれた。不快だった。しかし、誰も苦情を訴えない。なぜだろう。あらかじめ了解されているのか? 初参加のわたしは、最後まで大人しくしていたのだが、遺伝子医療の社会的・倫理的問題を考えることと、こういった会場でのマナーは、まったく無関係のことであろうか。実に不可解なことだ。

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花粉症の頭を横たえ、TVで屋久島の縄文杉を眺めていた。
羚羊が苔を食べていた。森の案内人が言う。
たくさんの人間が森に入るようになりました。彼らは、登りやすいように、木の根を踏んでいきます。しかし、踏まれた根は死に、樹木はだんだん枯れていくのです。そのことに、ほとんどの人間は気が付きません。動物は違います。動物は、けっして木の根を踏むことはありません。

樹齢7千年の縄文杉は、なんども枯れそうになったらしい。
人間が根をふみ、その樹皮にさわったからだ。