カキノヘタムシの駆除薬


 収穫時期を前にしてボタボタとカキが落ちる悲しい虫害である。この虫の寄生時期は花が終わり
小さな果実をつけた頃を見計らってこの虫がヘタに入り込む。その後、果実の生長と共に虫も大き
くなって食欲を増し、3枚目の写真のように柿を支えるヘタが空洞になって実を支える力を失ったも
のから順に落果していく。



 果樹農家では、残効時期の長いプロチオホス水和剤等を施して計画的な防除を行っている。 
しかし、私も含めた自家消費者は、人畜無害の細菌農薬BT剤で十分だと考える。 
この薬剤は何度掛けても農薬毒&耐性が生じないため、使用回数制限を設けられていない。
 具体的には、開花後、小さな果実を目にした時期を目安に月2回ほど計画的に噴霧すれば防除できると確信する。


 なお、BT剤でカキノヘタムシで農薬登録を取っているのはバシレックス水和剤とチューサイド水和剤だけだが、
カキノヘタムシはチョウ目に属しているので、多少の効き目の差はあってもどのBT剤でも有効なはずである。 
この表は、同系統成分の薬剤から代表を1つずつ抜粋した。

農薬の種類 農薬の名称 希釈倍数 使用時期 使用回数
プロチオホス水和剤 トクチオン水和剤 800倍 収穫75日前まで 2回以内
CYAP水和剤 サイアノックス水和剤 1000倍 収穫45日前まで 3回以内
MEP水和剤 スミチオン水和剤40 800〜1200倍 収穫45日前まで 3回以内
アセフェート水和剤 オルトラン水和剤 1000〜1500倍 収穫45日前まで 2回以内
カルタップ水溶剤 パダン水溶剤 1000〜2000倍 収穫45日前まで 4回以内
フェンバレレート・MEP水和剤 パーマチオン水和剤 1000〜2000倍 収穫45日前まで 3回以内
エトフェンプロックス水和剤 トレボン水和剤 1000〜2000倍 収穫30日前まで 3回以内
ジフルベンズロン水和剤 デミリン水和剤 2000〜4000倍 収穫30日前まで 2回以内
チオシクラム水和剤 エビセクト水和剤 1000〜2000倍 収穫30日前まで 4回以内
テフルベンズロン乳剤 クミアイノーモルト乳剤 1000〜2000倍 収穫30日前まで 3回以内
フルバリネート水和剤 マブリック水和剤20 2000倍 収穫30日前まで 2回以内
アラニカルブ水和剤 オリオン水和剤40 1000倍 収穫21日前まで 3回以内
アセタミプリド水溶剤 モスピラン顆粒水溶剤 4000倍 収穫14日前まで 3回以内
シフルトリン乳剤 バイスロイドEW 2000倍 収穫14日前まで 3回以内
シラフルオフェン水和剤 MR.ジョーカー水和剤 2000倍 収穫14日前まで 2回以内
チオジカルブ水和剤 ラービンフロアブル 1000倍 収穫14日前まで 3回以内
アクリナトリン水和剤 アザミバスター水和剤 1000倍 収穫7日前まで 3回以内
クロチアニジン水溶剤 ダントツ水溶剤 2000〜4000倍 収穫7日前まで 3回以内
シハロトリン水和剤 サイハロン水和剤 2000〜3000倍 収穫7日前まで 3回以内
トラロメトリン水和剤 スカウトフロアブル 1500〜2000倍 収穫7日前まで 5回以内
フルベンジアミド水和剤 フェニックス顆粒水和剤 4000倍 収穫7日前まで 2回以内
ペルメトリン水和剤 アディオン水和剤 3000倍 収穫7日前まで 5回以内
チアメトキサム水溶剤 アクタラ顆粒水溶剤 2000倍 収穫3日前まで 3回以内
クロラントラニリプロール水和剤 サムコルフロアブル10 5000倍 収穫前日まで 3回以内
ジノテフラン水溶剤 スタークル顆粒水溶剤 2000倍 収穫前日まで 3回以内
シペルメトリン水和剤 アグロスリン水和剤 1000〜2000倍 収穫前日まで 3回以内
チアクロプリド水和剤 バリアード顆粒水和剤 2000倍 収穫前日まで 3回以内
マシニッサルア剤 ヘタムシコン 90本/10a(7.38g/90本製剤) 成虫発生初期から終期
BT水和剤 バシレックス水和剤 1000倍 発生初期ただし、収穫前日まで -


BT剤の活用奨励に関しては、環境省の書籍(公園・街路樹等病害虫・雑草管理マニュアル)のP22にも記されていた。