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はじめに
「荻窪便り」は友人達に送ったメールです。病院の待合い室からISDNの電話回線を使用して送りました。8階の病室から、鉄の酸素ボンベを引きずり、そのうえに重いノート型パソコンの入った鞄を持って歩くのは、実に辛いものがありました。また、病室のなかでは携帯電話やパソコンは禁止なので、迷惑もかけました。婦長さん、ごめんなさい。
去年の夏以来、都立広尾病院にお世話になっているのですが、この場をお借りして、主治医の先生をはじめ、看護婦さん、事務局の方など、多くの人達のあたたかい援助に、心からお礼申し上げます。
荻窪に住むようになってから、ほぼ二十年になります。天沼陸橋を降りたところに、長谷川弥次郎さんのお宅があり、そこの庭の離れに十年ほどお世話になりました。年を経るごとに、いただいた親切が身にしみてまいります。四季折々の花が満ちていた庭。そこだけが、不思議と澄んだ風が流れていたようです。
現在は、善福寺川のすぐそばに住んでおります。気がついてみると、今までの人生の半分近くを荻窪で暮らしているのですね。もともと脊髄に難があったわたしは、肺炎で呼吸器障害も得てしまいましたが、パソコンとの出会いにより、新しい生活を始めつつあります。「荻窪便り」はそのスタートというわけです。
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