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新幹線ストーカー
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■新幹線ストーカー
その日は、東北新幹線で約2時間乗ることに。
いつも、車内の騒音がうるさいので「耳栓」を持ち歩く。
その日に限って家に忘れてきた。
座席はC席で通路側だ。
座席を少し倒し、ほっと落ち着いた。
あとは新聞を読んで眠って行こう。
発車間際に、騒々しく乗り込んできたグループがあった。
私の真後ろに陣取る。
…相当、飲んでいるな。
声が荒々しい。
「プシュッ」と音がした。
缶ビールを開けた。
また飲むのか?
わたしは新聞を読み終わり。
眠りの態勢に入った。
「ぎゃはは、あのバカがさ…」
真後ろの60歳前後の男の声だ。
すごい、大声だ。
しかも、乱暴な言葉を連発。
まるで他の乗客に聞かせているような感じだ。
まわりの乗客も顔をしかめている。
わたしはちょっと我慢できなくて、振り向いて言った。
「すみません、もう少し静かにしてもらえませんか。」
一瞬の沈黙。
「なにっ!この小僧、静かにしろだと?」
男は立ち上がって怒鳴った。続けて
「おい、何とか言えよ。」
わたしは無視する。
「どこが、うるせーんだよ、この野郎。」
完全にきれている。
黙る。
「口がないのか、こっち来い。」
その男の隣の男性が、すこしなだめている。
「この若いのが、うるせーとさ!みんな聞いたか?」
まわりの乗客に同意を求めている。
ああ、酔っ払いの変な奴にひっかかったなぁ。
わたしは完全無視。
反応するともっとこじれると思ったからだ。
しかし、男は酒を飲みながら、ずーっと怒鳴りっぱなし。
執拗に。
乗務員が通りかかるとだまる。
ははん、気が弱い人間だ。
途中で降りなかった。
わたしと同じ終着駅まで、しつこく続いた。
そしてホームに降りても…。
ホームの駅員が見ている。
同僚らしき人間が、腕をつかんで出口階段の方向へ連れていった。
まわりの乗客には申し訳ないことをした。
デッキへいって「決着」をつけてもよかったが、
相手は酔っているし、けんかになる。血をみるかも。
クリニック・ショート劇場「新幹線ストーカー事件」としておこう。
(続く…) |
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