南青山アンティ-ク通りクリニック



―40代男性/通院中―
 

401 先生よ勉強しなおせ
402 卒業証書の筒
403 土下座
404 夫婦
405 今にみてろ
406 競売執行官
407 友人の死
408 クリスマス
409 クリスマス・イヴ
410 メールと共有
411 マザー・テレサのことば
412 2005年1月1日
413 風邪(かぜ)
414 宴のあと
415 献血
416 映画
417 絵日記
418 新しい感覚
419 車のはなし

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■先生よ勉強しなおせ


1970年代、学生のころ
インゼミという経済学の全国大会が名古屋であった。
会場は名古屋大学だ。
わたしは、サマーキャンプという大イベントを控えていたものの
同輩に「論客」がいなくて、仕方なく参加。
金もかかったが、これからの後輩の育成のためだ。
主役は基本的には後輩で先輩である4年生は
あまり前面にでないことになっている。

全国から専攻分野毎のテーマに20くらいの大学の学生ら各数名が、
参加し、発表し、議論する。
大きいゼミだと10名以上参加する。
そこでは主催地域の大学の教授が顧問としてコーディネートする。

各大学からの発表後、いよいよ議論が始まった。
わがT大学は、いつも注目の大学。
しかし、なかなか盛り上がらない。
教授の話がつい多くなってきた。
もはやその担当教授の講義の世界に突入。

後輩がたじろんでいる。
(手を上げて反論しろ)
わたしは、キレた。
  「先生は経済学を基本から勉強し直すべきです」
  「全然、お話にならない論点だ」
  「今まで何を勉強してきたのですか」
と、わたしは立ち上がって叫んだ。
場内は騒然。教授は、青白い顔をしてそのまま、だまった。
そして会場である講義室を出ていったのだ。

後輩らが驚いた、妙に勝ち誇った顔で
振り返ってわたしをみている。
あーまずい。
…そのあとの議論は、後輩が論点を
自分らの主張でがんがん攻めていった。
後で反省したが、その教授にも問題あるんだと思った。


それから15年後、ある経営者の会合で
「あなたは、インゼミで先生をケチョンケチョンにした人でしょう?」
わたしのネームプレートをみて、歩み寄ってこられた。
一般的な姓名でないためばれた。
「そうです」

目立つことをすると、時間を超えても消えないことを知った。
「言葉の暴力」で担当教授を傷つけてしまったことも反省したい。

  (続く…)

 
       
   
     
     
         

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